塗   料

塗料とは、物体面に塗り広げた時に、薄い膜を形成し、時間と温度との条件によって硬化し、
物体面に連続した皮膜をつくり、その目的を果たすものである。

目   的

保   護    防錆、防食、耐候性、防腐、耐磨耗、汚染防止、耐薬品等
美   装    色彩、光沢、模様、仕上り外観
機   能    誘導、示温、防音、結露防止、防塵、電波吸収、防虫、熱線
          反射、防カビ、張り紙防止、着氷防止、破ビン防止 、汚染防止、
          蛍光、蓄光等
色彩調節    人体疲労の軽減等を考え建物や機械等の色彩を計画、設計し、
          作業環境を改善する。
安全標識    交通安全、航空障害標識などの災害防止標識、電気回路、
          手摺りなどの安全標識

塗料の成分

1. 展色剤(ビヒクル・ワニス)

   油脂、天然樹脂、合成樹脂、ゴム等の加工物を溶剤等で溶かした液体。

 

2. 顔 料

水、油、溶剤等に溶けない無機又は有機化合物の微粉末をいい、物体面に不透明の膜をつくる、
塗料中の成分で、塗料に色をつけたり、塗膜に厚みを持たせたり、防食性等の性能を与える塗膜
形成の副要素。
着色顔料
  白 色 : 酸化チタン、酸化亜鉛、鉛白
  黒 色 : カーボンブラック、酸化鉄黒
  赤 色 : パーマネントレッド(有機)
  さび色 : 弁柄(酸化鉄)
  黄 色 : 黄鉛、オーカー(酸化鉄黄)、ハンザエロー
  青 色 : シアニンブルー、紺青
  その他 : アルミペースト
防錆顔料
  鉛丹、シアナミド鉛、亜酸化鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、ジンククロメート、亜鉛末、
  塩基性クロム酸鉛、ストロンチウムクロメート他
体質顔料
  炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、その他

3. 添加剤

塗料が膜を形成するために、乾燥を促進したり、容器の中で顔料の沈殿や乾きを防止したり、その他塗料中に溶解又は混合して、塗料の塗膜形成を助ける成分。
呼   称 効      果 成        分
乾燥剤 酸化乾燥塗料の乾燥を速める。 鉛、マンガン、コバルト等の
樹脂酸、ナフテン酸鉛
皮張り
防止剤
容器内での表面乾燥を防止する。 フェノール化合物、
テレピン油他
沈殿防止剤 容器内での顔料の沈殿を防止する。 ベントナイト、アルステ他
垂れ防止剤 塗膜のたるみができるのを防止する。 合成ワックス、金属石けん他
レべりング剤 塗膜にハジキや凹みのできるのを
防止する。
シリコン化合物他
色分かれ
防止剤
塗装した塗膜の色が均一になるよう、
斑点状にむらができるのを防止する。
シリコン化合物、
アクリルオリゴマー他
防腐剤
防カビ剤
水系塗料の腐敗を防止する。
塗膜に発生するカビの防止。
ペンタクロロ・フェノール、
サルチル酸アニライド他
分散剤 展色剤への顔料の分散が容易になる
ように分散時に加える。
高分子アミノ塩、界面活性剤、
無機塩他
可塑剤 塗膜に柔軟性を与える。 ジブチルフタレート、ひまし油他
艶消し剤 塗膜のつやを消す。研磨性を与える。 無水ケイ酸、タルク他
乳化剤 水と油、樹脂とを混合して乳化させる。
効果としては水と油の表面張力を減少させる。
アルカリ石けん、界面活性剤、
トリエタノールアミン他
その他、塗膜にすべり性を与えるもの、消泡剤、防火、殺菌性を与えるものなど多くのものが使用されています。

4. 塗料の乾燥機構

乾燥の状態

指触  乾燥 : 指の腹が塗膜に軽く触れたとき、指に塗料が付着しない状態。
半硬化乾燥 : 塗装した面を指先でそっとこすってみて、塗面に擦り跡がつかない状態になった
           ときをいう。
           或いは指先で軽く押えても粘着しないで指紋が付かなくなったときとしている。
硬化  乾燥 : 指の腹で塗膜を強く圧した時、塗膜に指紋が付かない状態。
           塗装内部の乾燥反応は大部分終了している。
           油性系塗料の場合には半硬化乾燥といって硬化乾燥と区別することもある。
完全  乾燥 : 塗膜内部の乾燥反応が完全に終了し固化した状態。
           感覚的には判別し難い。
塗り重ねして良い時期は硬化乾燥又は半硬化乾燥以降です。
この時期には、揮発すべき溶剤はほとんど揮発し、塗膜内の酸化、重合等の化学反応がほぼ
終了した状態になっています。

塗料の乾燥機構の種類

常温乾燥(自然条件下で放置乾燥させる方法です。)
  温度・湿度・風の有無等環境の影響を受けやすく、夏と冬では乾燥時間に相当の差が生じる。
  乾燥設備を使用できない建築塗装・橋梁等の構造物が主体です。
  塗料は
     揮発乾燥形 : ラッカー類・塩化ゴム系塗料・各種エマルション系及び吹付け材。
     酸化乾燥形 : 合成樹脂調合ペイント・フタル酸樹脂塗料。
     重合反応型 : エポキシ樹脂・ウレタン樹脂
強制(促進)乾燥(塗料の乾燥を促進するためJISでは66℃までの加温と規定)
  常温乾燥で用いられる塗料を乾燥スピードを速めるために用いる方法です。
  熱を加えると変形する合成樹脂や木材の塗装に適用されます。
焼付乾燥(一定の温度以上で架橋結合の反応が起きる塗料に適用)
  乾燥温度は120℃以上で20〜30分、塗料の種類により200℃位まで変わります。
  家電製品、鋼製家具、金属製品等工業用塗装ラインで多く採用。
  塗料は熱反応硬化型塗料
        (メラミンアルキド・アクリルメラミン)
エネルギー照射乾燥(紫外線・放射線等の高エネルギーで架橋結合の反応が起きる塗料に適用)
  紫外線等の照射によるラジカル重合の硬化を行います。
  エネルギー効率が高い。
  硬化時間が短い。常温硬化タイプ。
  塗料はUV照射塗料。

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