塗料と塗装の欠陥と対策 |
【塗料の貯蔵中に生じる欠陥】 |
沈 殿(ケーキング) | ||
現象 | 塗料中の顔料が時間の経過で次第に沈殿し容器の底に堆積し固まる。 硬い沈殿=ハードケーキング 柔らかい沈殿=ソフトケーキング |
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原因 | 鉛系・亜鉛末等の重い顔料の使用。 貯蔵期間の長期化。 塗料の粘度が低すぎるとき。 |
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対策 | 保管場所は冷暗所(20℃以下)にする。 長期在庫品は容器を時々反転してやる。 古いロットから使用。希釈した塗料は長期保管しない。 |
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処置 | ハードケーキングは廃棄 ソフトケーキングは充分にかき混ぜてから使用する。 |
増 粘(ゲル化) | ||
現象 | 塗料の粘度が上昇し、流動性が無くなりこんにゃくのようになる。 | |
原因 | 在庫期間が以上に長い。 容器の密閉が不十分。 2液混合形の可使時間のオーバー。 異種塗料の混入。 不良シンナーの混入。 |
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対策 | 古いロットから使用。 密閉できる容器の使用。 可使時間の確認。 異種塗料・不良シンナーを混入しない。 |
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処置 | 若干の増粘は、指定の希釈シンナーで希釈し、使用。 こんにゃく状になったものは廃棄する。 |
皮 張 り | ||
現象 | 油性・アルキドなど酸化乾燥型塗料が缶内の空気で乾いて表面に膜ができる。 | |
原因 | 容器の空間が大きすぎる。 使用後、容器の密閉が悪い。 皮張り防止剤の不足。 乾燥剤の過剰 長期間及び高温での貯蔵。 |
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対策 | 入れ目に合った容器の使用。 密閉できる容器の使用。 窒素を封入する。 皮張り防止剤・乾燥剤の見直しをする。 冷暗所に保管する。 |
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処置 | 薄いものは取り除き、充分にかき混ぜて濾過してから使用する。 厚い皮及び取り除いた皮は焼却する。 |
ニス別れ | ||
現象 | 塗料の上層にワニスが層を生じる。 樹脂と顔料との親和性が何らかの要因で分離する。 |
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原因 | 長期貯蔵。 高温の場所での貯蔵。 塗料の粘度が低い。 異種塗料の混入。 |
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対策 | 高温で長期間の貯蔵は避ける。 長期間保管する場合は、容器を反転する。 |
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処置 | 充分にかき混ぜてから使用する。 |
塗料と塗装の欠陥と対策