19 塗 装 工 事
1  共通事項

1.1  適用範囲
本章は、工事現場の塗装工事に適用する。

1.2  一般事項
  a 材料は、原則として「1総則」の3.2による。
  b 本仕様書の各工程では同一製造業者品の使用を原則とする。
  c この章で規定する塗料を屋内で使用する場合のホルムアルデヒド放散量は特記による。
    特記がなければF☆☆☆☆とする。
  d 塗料の保管については災害予防に特に注意し、安全な専用の塗料置き場を設ける。
  e 特記により防火材料の指定がある場合は、建築基準法に基づき指定又は認定を受けたものとする。
  f 色・つや・配色・模様仕上げは「1総則」の3.2による。
  g 塗装業者の指定は特記による。指定のない場合は係員の承諾を受ける。
1.3  施工計画書
  本工事に先立ち施工計画書を作成し、係員の承諾を受ける。施工計画書には、下記事項を記載する。
  (1) 管理組織    (2) 施工範囲    (3) 施工要領書    (4) 使用材料    (5) 工程表
  (6) そのた係員の支持するもの
1.4  定  義
  a 素地押さえとは素地面の吸い込みの程度を均一化し、エフロレッセンスの滲み出しを防ぐために塗装することをいう。
  b この章で規定する塗料を屋内で使用する場合のホルムアルデヒド放散量は特記による。
    特記がなければF☆☆☆☆とする。
  c パテかいとは素地面に凹凸・ひび・割れなどがある場合に、その局部を平滑になるようにパテにより部分的に補修
    することをいう。
  d パテ付けとは、素地全面にパテ付けし、平滑にすることをいう。
  e 補修塗りとは、塗膜の損傷箇所を部分的に補修することをいう。
  f 重ね塗り乾燥時間とは、温度23±2℃、湿度50±5%の条件の場合をいう。
  g 塗付け量は、塗装面積1u当りの使用量(希釈する前)のことをいい、塗装過程において素地面の形状・表面状態に
    より増減することがある。
  h 重ね塗り乾燥時間並びに塗付け量を記載していない工程は、素地面の状態により、それらが異なるためである。
1.5  塗装仕上げの略号
  a 塗装仕上げの略号は、1.5表による。
1.5表 塗装仕上げの略号
略号 仕上げの種類 材料の工業規格
SOP 合成樹脂調合ペイント仕上げ JIS K 5516(合成樹脂調合ペイント)
FE フタル酸樹脂エナメル仕上げ JIS K 5572(フタル酸樹脂エナメル
VE 塩化ビニル樹脂エナメル仕上げ JIS K 5582(塩化ビニル樹脂エナメル)
AEP アクリル樹脂エマルション塗料仕上げ JIS K 5663 1種アクリル樹脂エマルション塗料
EP-M 多彩模様塗料仕上げ JIS K 5667 2種多彩模様塗料
AC アクリル樹脂クリヤー仕上げ JIS K 5653(アクリル樹脂ワニス)
EP-G つや有り合成樹脂エマルション塗料仕上げ JIS K 5660つや有り合成樹脂エマルション塗料
NAD 非水分散形アクリル樹脂塗料仕上げ  JIS K 5670アクリル樹脂系非水分散形塗料
AE アクリル樹脂エナメル仕上げ JIS K 5654(アクリル樹脂エナメル)
UC ポリウレタン樹脂クリヤー仕上げ  
2-UE 2液形ポリウレタン樹脂エナメル仕上げ JIS K 5656(建築用ポリウレタン樹脂塗料)
-ASE 2液形アクリルシリコン樹脂エナメル仕上げ JASS 18M-404アクリルシリコン樹脂塗料
AlP アルミニウムペイント仕上げ JIS K 5492(アルミニウムペイント)
-XE 2液形エポキシ樹脂塗料仕上げ  
2T-XE 2液形タールエポキシ樹脂塗料仕上げ JIS K 5664(タールエポキシ樹脂塗料)
2-FUE 常温乾燥形フッ素樹脂エナメル仕上げ  JIS K 5668(建築用フッソ樹脂塗料)
2-FUC 常温乾燥形フッ素樹脂クリヤー打ち放し面(濡れ肌防止)仕上げ 

1.6  さび止め塗料及び鉄面の素地ごしらえ
  a さび止め塗料及び鉄面の素地ごしらえは1.6.1表及び1.6.2表による。
1.6.1表 さび止め塗料一覧表
名称 材料の規格 種  別 備   考
一般用錆止めペイント JIS K 5621 1種・2種 鉄面屋内用
鉛丹錆止めペイント JIS K 5622 1種・2種 鉄面屋内外用
亜酸化鉛錆止めペイント JIS K 5623 1種・2種 鉄面屋内外用
シアナミド鉛錆止めペイント JIS K 5625 1種・2種 鉄面屋内外用
鉛・クロムフリー錆止めペイント JIS K 5674 鉄面屋内外用
水系錆止めペイント JPMS 21 1種※1 鉄面・亜鉛めっき面屋内用
鉛酸カルシウム錆止めペイント JIS K 5629 亜鉛めっき面用
変性エポキシ樹脂プライマー JASS 18 M-109 亜鉛めっき面用
※1 JPMSは日本塗料工業会規格

1.6.2表 鉄面の素地ごしらえ
ケレン種別 処理方法 ISO対応基準 処理状態
1種 ブラスト方法 Sa3 ミルスケール、さび、塗膜、油などの異物を完全に除去し、
表面は、均一な金属色を呈していること。
(目安の除錆率 : 99.9%以上)
Sa2 1/2 ミルスケール、さび、塗膜、油などの異物を十分に除去し、
極わずかなさびが残っている程度。
均一な金属色を呈していること。
(目安の除錆率 : 95%以上)
Sa2 ミルスケール、さび、その他の異物を殆ど除去し、表面は
一様にやや赤みがかかった灰色となる。
(目安の除錆率 : 67%以上)
Sa1 軽度なブラストで弱く付着したミルスケール、さび、塗膜、
油などの異物を全て除去する。
表面は、硬い黒皮と錆色は残る
2種 動力工具・手工具
による工法
St3 St3よりグレードは落ちる。
弱く付着したミルスケール、さび、塗膜を全て除去する。
但し、くぼみ部分や狭隘部分には、さびや塗膜が残存する。
素地は鈍い金属光沢を呈する。
St2 弱く付着したミルスケール、さび、塗膜を全て除去する。
但し、くぼみ部分や狭隘部分には、さびや塗膜が残存する。
素地は金属光沢を呈する。
3種 弱く付着したミルスケール、さび、塗膜を全て除去する。
但し、固着したミルスケール、塗膜(活膜)等は除去しなく
て良い。
4種 主に表面の油脂、ほこりその他の異物を除去する。
活膜は残す。
注)1.素地ごしらえのグレードは、1種→4種と落ちていく。
  2.ISO-8501−1では、Saはブラスト工法、St は動力工具、手工具による区分を示し、基準は、それら
    により処理した鉄面の状態のグレードを表している。
    なお、ISO-8501−1には、これらの状態をフィルムにカラープリントした見本で規定している。
  3.標準下地グレードは、ブラスト工法 : Sa2 1/2    動力工具・手工具工法 : St3

1.7  塗料の調整
  塗料は、使用のたびに内容物を十分にかき混ぜ、均等にしなければならない。
  エマルション塗料及び水溶性塗料は清水(上水)を用い、その他の塗料は、その塗料に適した薄め液を用い、
  原則として塗料と同一製造業者品を使用すること。
  また、塗料の希釈率・粘度については塗料の種類・塗装方法・気温・素材の種類により異なるので、製造業者
  の指定する方法によって行われなければならない。
  塗装時混合して使用する2液形以上の塗料では混合比・混合法及び混合後のポットライフ(可使時間)に規制
  があるので、製造業者の指定する方法に従って使用し、ポットライフが過ぎたものは使用してはならない。
1.8  塗装時の条件
  塗装時の条件が下記に示すような場合には塗装を避け又は適切な処置を行う。
  a 気象状況及び環境
    (1) 気温が5℃以下の場合。
    (2) 湿度が85%以上の場合。
    (3) 降雪雨の場合又は塗装後乾燥までにそのおそれのある場合。
    (4) じんあいの多い場合。
    (5) 炎天で被塗物温度が高く塗面に泡を生じるおそれのある場合。
  b 被塗面の状況
    (1) 被塗面に湿気がある場合。
    (2) 被塗面に結露するおそれがある場合。
    (3) ベニヤ板面・ボード面などのくぎ頭は適切な錆止め塗料を塗装したのち、本仕様による。
1.9  塗装上の注意
  a ブラストされた処理面は非常に活性で、そのまま空気中に放置すると短時間にさびが発生するのでブラスト
    後は速やかにショッププライマー又は次工程の塗料を塗装する。
  b 塗膜厚が均等になるよう塗装すること。
    特に塗装困難な箇所・先端部・隅部・溶接部などは入念に塗装し、要すれば増し塗りして膜厚を保持する。
    被塗物の形状・塗料の種類によって塗装法を考慮し、適正な塗装を行う。
  c 安全・衛生並びに塗料・薄め液(シンナー)の取扱いは、「1総則」の2.2及び2.4による。

INDEX